年を重ねると脳の機能は衰え、覚醒させる力も眠らせる力も弱まって来ます。
そのため起きていても眠いし、眠っていても寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりして夜中にすぐに目が覚めたり、
早朝覚醒するなどといった、なんとも具合の悪いメリハリのない状態になって不眠症を訴える高齢者も増えています。
少し前までは「昼寝すると夜に寝れなくなる」という考え方が主流だったため
昼寝はよくないとされていましたが、近年の研究では高齢者の「短い」昼寝は健康のためには
むしろ奨励すべきことがわかって来ました。
毎日長く昼寝をとると…×
1 時間以上の昼寝を習慣的にとっている高齢者は昼寝の習慣をもたない高齢者より死亡危険率は
3 倍、2 時間以上の昼寝をとっている場合では 14 倍に達する。
起床する際、交感神経系の活動を急激に亢進し、脳梗塞や心筋梗塞が発生する可能性がある。
1 時間以上の昼寝は認知症の危険性を 2 倍に増加させる。
短い昼寝では…○
30 分以下の昼寝が不眠を予防。
毎日 30 分の昼寝をとると、夜間睡眠も良好になった。
30 分以下の昼寝は認知症の発病の危険性を 1/5 以下に軽減させる。
30 未満の短時間の昼寝は眠気をとり、高齢者の活動性・認知能力を上昇させる。
65 歳以上の高齢者に 30 分の昼寝をしてもらうと午後の眠気が改善し覚醒度や作業成績が上昇