訪問看護を利用されている方が訪問マッサージを受けるメリットとは？

・痛みや拘縮があり、なかなかADLが向上しない

・寝たきりの利用者さんのリハビリを充実できないか

・一人暮らしや老老介護のためもう少し訪問回数を増やせたら…

訪問看護で利用者様のお宅に伺ってみると、さまざまな問題が浮き彫りになるかと思います。

しかし、介護保険内でできるサービスは回数に制限があったり、費用面の問題があったりして、思うようなサービスを提供できないと感じることもありますよね。

そこで一つの解決策としてご検討していただきたいのが、当院が提供している訪問マッサージサービスです。

ケアプランに記載されているのを目にしたこともあると思いますが、なかなか連携をとる機会もないので、一体どのようなサービスを行なっているのか疑問に感じている看護師さんも多いのではないでしょうか。

そこで今回、訪問看護師さんが利用者様とのかかわりで日頃感じられている問題を、訪問マッサージと連携を取ることで解決することはできないかと考え、記事にさせていただくことにしました。

訪問マッサージとは

訪問マッサージとは、関節可動域の拡大と筋力増強、筋緊張の緩和などを促し、症状の改善を目的とする医療マッサージのことです。

寝たきりや自力での歩行が難しい方、通院が出来ない方などを対象に、ご自宅や高齢者施設などに伺い、関節拘縮や筋萎縮が起こっている部位に、手技を用いてリハビリを行います。

「リハビリ」といえば、理学療法士による訪問リハビリを思い浮かべると思いますが、例えばむくみや拘縮、痛みが強い方には、訪問マッサージを併用して症状の改善を目指すことも可能です。

訪問看護で利用者様のお宅に伺うと、身体面での悩みや精神的な不安を訴えて来られる方も多いと思います。

しかし、訪問看護のサービス時間内では対応が難しい場合もあるでしょう。そんなとき、訪問マッサージでも対応可能な場合があります。いくつか例をあげますので、ご参考にしていただければと思います。

高齢になると慢性的な腰痛や肩、膝の痛みを訴えられる方が大変多いです。なかには内服や注射などの治療を受けていても症状が改善せず、訴えが強い利用者様もおられるでしょう。

訪問マッサージでは、鍼灸を使用した疼痛緩和も図るサービスも実施しています。痛みの原因はさまざまですが、緊急性を必要とするもの以外であれば対応可能です。

利用者さんの中に血行不良による四肢の冷感、むくみなどを訴える方はおりませんか？

訪問看護師さんの方でも足浴などを取り入れるなど対処されているかと思いますが、他の医療処置もある場合はなかなか十分な時間が取れないこともあるかと思います。そんな場合、訪問マッサージでも血行改善を図ることが可能です。

・夜、なかなか眠れない

・身体面、精神面での不安や孤独感

利用者さんの中には、このような訴えをして来られる方もいるかと思います。

高齢者の一人暮らしや、老老介護を行なっているご夫婦などで周囲に頼る人がいない場合は、孤独を感じやすく、認知機能の低下につながります。

当院で行なっている鍼灸は自律神経を整える作用もあり、不定愁訴の改善が期待できます。

また訪問回数を増やすことで、他者とコミュニケーションをとる機会にもなり、在宅介護における不安や異常の早期発見にもつなげることが可能です。医療面での対応が必要であれば、訪問看護さんへの連絡も密に行うことができるかと思います。

寝たきりの患者さんで特に心配なのが、褥瘡です。

褥瘡がひどくなると通院が必要になったり、訪問看護での処置が増えたりするだけでなく、感染症のリスクも考えられます。

褥瘡の予防・改善には、できるだけ体位交換の回数を増やしたり、背部の血行を良くしたりする必要がありますが、訪問マッサージでも対応が可能です。

在宅介護においては、要介護者だけではなく、介護者（ご家族）の負担面も考慮しなければなりません。

私たちが利用者様のお宅に伺っている時間帯は、ご家族は介護から解放されます。

訪問回数が増えれば介護負担の軽減にもつながります。

また、転倒リスクがある方や介護者が十分お世話ができない場合などは、安全面でもできるだけ人の目があった方が良いでしょう。

看護師さんとはなかなか関わる機会がない訪問マッサージですが、連携を取ることができれば、利用者さんの負担の軽減につながるきっかけが持てるのではないかと考えます。

何かお困りのことがあれば、訪問マッサージの利用もご提案いただければと思います。