訪問マッサージの保険適用や自費利用、訪問できる場所について、疑問を持っている方もいるでしょう。
本記事では、訪問マッサージの保険適用から、対象者、訪問できる施設について解説します。
訪問マッサージは介護保険適用ではないため、ケアプランに位置付けやすいケースが少なからず存在します。訪問マッサージについて知ることは要介護者の助けになるかもしれません。
気になる方は是非一読してみてください。
(この記事から分かること)
- 訪問マッサージは医療保険適用である
- 訪問マッサージは自費利用も可能
- 訪問マッサージが医療保険適用になるためには「医師の同意書」が必要
- 訪問マッサージの対象になるための条件がある
入所系の介護施設でも訪問マッサージの利用が可能
訪問マッサージは介護保険の限度額を気にせずに利用できる
ケアプラン作成時、利用者の自宅に訪問して機能回復を目指すサービスを導入したいと思っても、区分支給限度額との兼ね合いが…
そんなケースは決して少なくないかと思います。要介護者において、限度額を超えてサービスを利用している方の割合は6%以下と介護給付費文化会の資料で公表されていますが、これは割合の問題では無いでしょう。
必要なサービスを必要な人へ届け、その人らしい生活を送るために、医療保険で利用できる訪問マッサージが必要な方は少なからずいるのではないでしょうか。
訪問マッサージは医療保険サービス
訪問マッサージは医療保険が適用されます。よって、介護保険給付の対象となる範囲である区分支給限度額の適用対象にならないのです。
たとえば、要介護の認定を受けている単身世帯の高齢者の場合、必要となる介護保険サービスが多くなり、区分支給限度額のギリギリまで利用するケースもあるのではないでしょうか。
その中で、自宅に訪問して動作能力の改善を図るサービスである訪問マッサージが医療保険適用で追加できるとしたら、介護保険利用者にとっても大きなメリットを得られる可能性があります。
訪問リハビリを活用する場合、要介護認定を受けている方は原則として介護保険での利用が優先されますから、区分支給限度額の対象になり、利用しにくくなってしまうことがあるでしょう。
そのため、自宅に訪問して動作機能回復を図りたい要介護者のケースにおいて、医療保険が適用される訪問マッサージを選択肢に挙げること。それによってメリットを得られるケースは少なからず存在するのです。
訪問マッサージの対象者に該当するかに注意
区分支給限度額の対象外になる訪問マッサージの利用を進めようとした時、「訪問マッサージの対象者に該当するか」という点に注意する必要があります。訪問マッサージには対象条件があり、全ての方において、すぐに提供できるサービスではありません。
訪問マッサージの対象になるかどうかは「適用対象になる状態」と「適用対象になる疾患と症状」から判断されます。疾患と症状については、非常に数が多いため、一部のみ以下に紹介します。
訪問マッサージの適用対象になる状態
- 手足の筋肉に麻痺がある方
- 関節に拘縮のある方
- 歩行困難な方
- 寝たきりの方
- 生活動作に困難のある方
- 腰痛のある方
訪問マッサージの適用対象になる疾患と症状
- 脳疾患
- 脳疾患パーキンソン病
- 頸髄損傷
- 四肢筋力低下
- 運動機能障害
- その他・・
医師の同意書が必要な点に注意
訪問マッサージの対象疾患に当てはまることが分かっても「医師の同意書(診断書)」が無ければ、医療保険が適用されません。
医師が、訪問マッサージが必要であるとして同意書を書き、マッサージ師が施術するという流れでサービスが導入されます。
サービス導入の流れついては比較的類似するサービスである訪問リハビリとほとんど同様です。
訪問リハビリのサービスを介護保険適用で利用するためには、対象になる状態かどうかを判断した上で『医師の指示書』が必要になります。
よって、サービス導入までの過程については、訪問マッサージと訪問リハビリで、ほとんど同じだと考えて良いでしょう。
保険適用外(自費)の訪問マッサージもある
訪問マッサージは医療保険を適用して利用するためには「医師の同意書」が必要であることを説明しましたが、「医師の同意書」が無くても自費利用で利用できる事業所が多くあります。
自費利用の場合、利用料が全て自己負担になります。よって、医療保険を適用して利用する時と比較して料金は高くなってしまいますが、いわゆる「対象外」の方でも希望すれば利用できる点がメリットになるでしょう。
また、サービス導入までにかかる時間も、医療保険適用時に比べれば早くなります。
特養(介護老人福祉施設)でも訪問マッサージができる
実は、訪問マッサージが介入できる入所系の介護施設は数多くあります。たとえば、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や小規模多機能型居宅介護施設、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に至るまで、幅広い介護施設で利用可能なのです。
介入できない施設は以下の通りになります。↓
- 医療機関
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
もちろん、訪問マッサージの対象者に該当する方であり、医師の同意書が無ければ医療保険適用での介入はできません。また、医師が訪問マッサージの必要性を考える点において、介護施設に機能訓練指導員などが配置されている場合は、訪問マッサージが必要だと判断することが難しくなる可能性があるでしょう。
医師の同意書が得られない場合は、自費サービスでの利用が可能ですが、介護施設によって対応が異なる場合もあります。訪問マッサージ事業所と介護施設の両方に相談をしながら決めていく必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、訪問マッサージが医療保険の適用であり、ケアプランを考える上での有用性について解説しました。
訪問マッサージは医療保険適用での利用のみでなく、自費利用も可能である事業所も多く、入所系の介護施設への訪問も可能であることから、比較的利用しやすい訪問サービスになるでしょう。
利用に至るまでの過程はケースによって異なるので、まずは訪問マッサージ事業所に相談することから始めてみるのが良いのではないでしょうか。