あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院

臨床倫理の4分割表とは?

「4分割表」ってご存知でしょうか? 医療の現場で使われているとても有効なアイテムです。

臨床倫理において重要な役割を担う4分割表について、詳細な解説を行います。この4分割表は、医療の現場で直面する倫理的問題に対処する際の枠組みを提供し、臨床倫理における意思決定をサポートするツールです。

1. はじめに
臨床倫理の4分割表は、アメリカの医師で倫理学者のアルバート・ジョンセンとスティーヴン・トゥーロックによって1980年代に開発されました。このモデルは、医療における複雑な倫理的問題を体系的に分析し、様々な観点からの考慮を助けることを目的としています。

2. 4分割表の構造
4分割表は以下の4つのカテゴリーに分けられています:

医学的事実(Medical Indications)
患者の好み(Patient Preferences)
生活の質(Quality of Life)
文脈的特徴(Contextual Features)
それぞれのカテゴリーには、特定の倫理的考慮事項が含まれており、医師が総合的な判断を下すのに役立ちます。

医学的事実
ここでは、患者の診断、治療可能性、治療のリスクと利益が考慮されます。治療の適応症とその医学的根拠に焦点を当て、どの治療が最も適切であるかを判断します。

患者の好み
患者が自らの治療に対してどのような希望や価値観を持っているかが重要です。患者の自己決定権を尊重し、その選択がどのように医学的事実に影響を与えるかを評価します。

生活の質
患者の生活の質をどう評価するか、そしてその治療が患者の生活の質にどのように影響するかが問われます。また、不治の状態や障害をどう受け入れるかという価値判断も含まれます。

文脈的特徴
患者の社会的、経済的、法的、文化的背景がどのように医療決定に影響を及ぼすかを考慮します。また、家族や他の関係者の影響もこのカテゴリーで評価されます。

3. 臨床倫理の4分割表の適用例
糖尿病を持つ高齢者が新しい治療法を受けるべきかどうかのシナリオを考えてみましょう。医学的事実では、新治療の利益とリスクを評価します。患者の好みでは、治療に対する患者の意向や不安が考慮されます。生活の質の観点からは、治療が患者の日常生活にどのような影響を与えるかが問われ、文脈的特徴では、家族の意見や経済的要因が考慮されるのです。

4. 結論
4分割表は、臨床倫理における意思決定を助ける貴重なツールです。このツールを用いることで、医師は患者一人ひとりの状況に最も合った倫理的な医療決定を行うことが可能となります。個々の患者に最適な治療方針を決定する過程で、これらの要素をバランス良く考慮することが重要です。

 

 

参考になれば幸いです。

あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院