あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院

寝たきりの方・ご家族必見!クッションの活用したポジショニングの目的と重要性

寝たきりの方のポジショニングは、褥瘡(床ずれ)の予防や呼吸機能の改善、筋肉や関節の拘縮を防ぐために非常に重要です。クッションを適切に使った姿勢の調整は、快適な体位保持と身体機能の維持に役立ちます。

 

ポジショニングの目的と重要性


寝たきりの方では、同じ体勢で長時間いると圧力が特定の部位に集中し、褥瘡ができやすくなります。また、姿勢が悪いと呼吸が浅くなったり、内臓の機能が低下する可能性があります。そのため、ポジショニングは次のような効果が期待されます。

褥瘡の予防 長時間同じ場所に圧力がかかることで皮膚が損傷します。ポジショニングで圧力を分散し、血流を保つことが大切です。

関節や筋肉の拘縮予防 長時間同じ体位を保つと、関節が固まり、筋肉が拘縮することがあります。定期的にポジションを変えることで、これを予防します。

呼吸機能や循環の改善 正しい姿勢を維持することで、胸郭が広がりやすくなり、深い呼吸が促されます。また、血流も良好に保たれ、内臓機能の維持にも役立ちます。

 

クッションを用いたポジショニング


クッションは圧力を分散するための重要なツールで、適切に配置することで身体の負担を軽減できます。以下に、いくつかの基本的なポジショニングとクッションの使用方法を紹介します。

 

1. 仰臥位(あおむけ)

仰向けの姿勢では、腰部やかかとに圧力が集中しやすいため、以下のようにクッションを配置します。

膝下にクッション:  膝の下にクッションを置くことで、かかとへの圧力を軽減します。また、腰椎のカーブが保たれ、腰への負担が軽減されます。
腰部や仙骨の下にクッション:  腰が浮くように小さめのクッションを入れることで、腰の圧迫を緩和します。
頭の下にクッション:  頭を少し持ち上げる程度の高さでクッションを入れると、首の筋肉がリラックスし、呼吸がしやすくなります。


2. 側臥位(横向き)


横向きの姿勢は圧力を分散しやすいですが、肩や股関節に圧力がかかることがあるため、クッションでサポートします。

膝の間にクッション:  上の脚と下の脚の間にクッションを挟むことで、股関節と膝への圧力を緩和します。骨盤の回転も抑えられ、安定した姿勢を保てます。
背中側にクッション:  背中にクッションを置くことで、身体が安定し、寝返りを防ぐ効果があります。
肘下にクッション:  上側の腕をクッションの上に乗せ、肩関節への圧力を減らします。




3. 30度側臥位

側臥位よりも体重のかかる角度が少ない体勢で、褥瘡予防に非常に有効です。

背中側に大きめのクッション:  30度の角度で身体が安定するよう、背中側にクッションを置きます。

脚の間にクッション:  こちらも側臥位と同様に、膝の間にクッションを挟み、股関節と膝を保護します。


4. ファウラー位(ギャッジアップ)


ベッドの頭部を上げる姿勢で、呼吸や食事時に便利です。圧力が尾骨や仙骨にかかりやすいので注意が必要です。

背中と椅子クッション:  座位を取る場合、背中にクッションを入れて安定させます。また、尾骨や仙骨への圧力を避けるため、座面にクッションを敷いて圧力分散を行います。
膝下にクッション:  足元にクッションを置いて膝を少し曲げると、骨盤が後傾しないため、腰への負担が軽減されます。

 


ポジショニングの注意点

定期的な体位変換:  一定の時間ごとに体位を変え、圧力がかかる部位を変えることが重要です。特に、2時間ごとに体位を変えることが推奨されます。
皮膚の観察:  ポジショニングを行う際、皮膚の状態をこまめにチェックし、赤みや痛みがないか確認します。
関節や筋肉の柔軟性維持:  ポジショニングとともに、関節を動かしたり、ストレッチを行うことも大切です。
快適さの確認:  利用者が不快に感じていないか、姿勢が痛みを引き起こしていないか確認することが必要です。

正しいポジショニングとクッションの使い方を実践することで、寝たきりの方の快適さや健康を守ることができます。

 

あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院
電話:03-3698-0211
東京都江戸川区下篠崎町9-2ソレイユ2階
東京都江戸川区船堀4-8-5ファーストパレス1階